高齢者の筋の再生能力が低下する原因はなにか

トレーニングを重ねると筋は疲れ、損傷しますが、それに応答するような形で再生し、より発達します。

これは若年者でも高齢者でも同じです。

しかし、若年者と高齢者の筋の再生能力は全く同じというわけではありません。

やはり高齢者は若年者に比べて筋の再生能力は劣るとされています。

ではこの差はどこにあるのでしょうか。

これを検証した実験があります。

アメリカの生理学者J.フォークナーと生物学者B.M.カールソンは、若齢ラットの筋を若齢ラットに、そして若齢ラットの筋を高齢ラットに、高齢ラットの筋を若齢ラットに移植し、どのような反応が起こるかを検証しました。

その結果、当然若齢ラットの筋を若齢ラットに移植した群では、高い再生能力が示されました。

そして驚くべきことに、高齢ラットの筋を若齢ラットに移植した場合でも、それとほとんど同じように再生されました。

つまりこれは、再生の程度は組織を提供する側の年齢よりも組織を受け入れる側の年齢に依存するということを示しています。

同様に性質的には高い再生能力を持つと思われた若齢ラットの筋を高齢ラットに移植した場合は、再生が悪かったとされています。

これらの結果は、高齢になっても筋の再生能力は必ずしも低下するわけではなく、筋のおかれた環境がその再生能力に影響をおよぼすことを示しています。

カールソンらは、これらの結果が加齢に伴う運動神経数の減少であると唱え、現在では、加齢に伴う筋機能の低下や可塑性の低下は神経系に由来するのではないかと考えられています。

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