人間の基礎的運動パターン

人間は、80を超える基礎的運動パターンをもっています。この基礎的運動パターンを6~7歳頃までに習得するといわれています。

さまざまな刺激や経験は運動発達だけでなく、知覚や知的発達について大きく影響する。

神経系は乳幼児期の発育が著しく7~8歳で成人の約90%が完成します。スキップ動作は、6~7歳で完成します。この時期(6~7歳)までに、1つのスポーツを実施することはあまりよくないといわれています。この時期の運動発達にとって非常に重要なのが、経験する運動の多様性であり、しっかりと基礎的な動きを身につけることも大切ですが、いろいろ変化をつけた動きを経験する方が学習効果は高くなります。集中力が持続しないこの年齢段階の特徴から、多種多様なトレーニング内容を行うと効果的です。スポーツ種目そのものの技術にこだわることなく、様々な遊びを通して、各種スポーツ種目にとって必要になる基本的な動きを獲得しておくことも重要になります。このさまざまな刺激や経験は運動発達だけでなく、知覚や知的発達についても指摘されています。

幼児期から小学生低学年・中学年の頃,感覚の発達や神経・筋コントロール能力の向上が著しいです。特に、五感 (視覚・聴覚・味覚・嗅覚・皮膚感覚)ばかりでなく、運動に関する平衡感覚・位置感覚・深部感覚などが10歳までに急速に発達するので感覚的な動き (タイミング・リズム感・リラクセーションなど)はこの頃までに基礎を養う必要があるといわれています。

感覚運動変換を鍛える

運動出力は、筋に作用し、これを収縮させて、運動を生成する運動指令です。これらの出力は、感覚運動変換を表現する回路へ感覚入力が入ることにより生じます。感覚入力には、自分の身体に関する内因性上方に加えて、外界の情報を示す外因性情報も含まれます。外因性情報、例えば、目標の空間内での位置などは聴覚入力や視覚入力からもたらされます。内因性情報には、身体に関するキネティクス情報とキネマティクス情報があります。

キネティクス情報には、手の位置、速度、加速度や、関節の角度や筋の長さなどがあり、それらの状態を引き起こした力に関する情報とは、無関係となります。これに対してキネティクス情報は、身体が生成した力や体験した力に関係しています。各種の内因性情報は、異なるセンサーによってもたらされます。例えば、筋長とその変化率についての情報がおもに筋紡錘からもたされるのに対して、生成している力について情報は、筋のゴルジ腱器官と皮膚の機械受容器からもたらされます。腱反射などの単純な反射には単純な感覚運動変換が関与しており、脳の高次中枢が介在することなく、感覚入力が直接運動出力を引き起こします。これに対して、随意運動には多段階の感覚運動変換が必要になります。

情報処理をいかに単純化させるか

実際、複数の情報処理中枢が関与することで、情報処理は単純になります。高次の中枢が一般的な目標を計画するのに対して、低次の中枢は、これらの目標をいかにして実現するかに専念するためです。例えば文字を書くといった、特異的な運動が、異なる方法で行われても、多かれ少なかれ同じような結果になるという事実は、こうした階層性によって説明できます。同一人物の筆跡は、文字の大きさや、それを書くために用いた肢や身体部位に関係なく、よく似た構造を示します。この現象は、運動等価性とよばれ、目的のある運動が、脳内で、特異的な関節の運動や筋収縮の集合としてではなく、抽象的に表現することで、さまざまな効果器を動かすことが可能になり、あらかじめ運動プログラムを用意しておくやり方では困難なレベルの柔軟性を付与することができます。

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